幕下上位は、十両よりギラギラしてる! 勝ち越せば関取が見える、いちばんバチバチな場所
幕下上位は、ほぼ十両。むしろ十両よりみんなギラギラしていて、取組はバチバチです。ここ1年で幕下から十両に上がった18人を数えたら、17人が幕下5枚目以内。7番の中に関取の夢がかかっている場所を数字で見てみました。
幕下上位の取組、空気がちがう
前に幕下の記事で、「幕下には元関取がたくさんいて、ほんとうに強い」と書きました。今回はその中でも、幕下の上のほう、「幕下上位」の話です。
国技館で見ていて思うのは、幕下上位の取組って、ほぼ十両なんです。体も相撲も、もう関取とほとんど変わらない。それどころか、十両の取組よりもみんなギラギラしていて、当たりもバチバチ。「この一番に勝てば関取が見えてくる」っていう気持ちが、見ているこっちにまで伝わってくるんです。
【写真:幕下上位の取組(黒まわしどうしの激しい当たり)】
【ふきだし】黒まわしなのに、十両より迫力ある日もある…!
【用語カード】幕下上位(まくしたじょうい)
幕下の中でも上のほうの地位のこと。はっきりした決まりはないけれど、だいたい幕下15枚目くらいまでをさすことが多いです。とくに5枚目以内は、勝ち越せば十両に上がれるかもしれない位置で、「十両との入れ替え」がかかる場所になります。
なんでそんなにギラギラしてるの?
理由はかんたん。幕下と十両のあいだには、給料、付け人、締め込み、大銀杏……と、待遇に大きな差があるから。十両に上がれば「関取」になって、生活ががらっと変わります。しかも幕下は1場所7番しかないので、1番負けるだけで夢が遠のく。1番1番の重みが、十両の15番とはぜんぜんちがうんです。
【手書きメモ】7番で勝負が決まる! 1敗の重みがちがう
気になって数えた:ここ1年で十両に上がった18人
【データカード】
場所 | 十両に上がった力士(幕下での番付と成績) |
|---|---|
2025年9月→11月 | 北の若(下1・5勝)、長村(下2・5勝)、若ノ勝(下3・5勝)、五島(下5・6勝) |
2025年11月→2026年1月 | 旭海雄(下1・5勝)、出羽ノ龍(下3・5勝)、一意(下15・7戦全勝) |
2026年1月→3月 | 寿之富士(下2・5勝)、福崎(下3・5勝)、島津海(下5・6勝) |
2026年3月→5月 | 栃大海(下1・4勝)、白鷹山(下2・5勝)、大花竜(下2・6勝)、炎鵬(下4・5勝) |
2026年5月→7月 | 嵐富士(下2・5勝) |
2026年7月→9月 | 丹治(下1・4勝)、時不動(下2・4勝)、生田目(下3・6勝) |
合計 | 1年で18人(1場所あたり3人) |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)の各場所の番付から、筆者が数えたもの
ここ1年(6場所)で、幕下から十両に上がったのは18人。1場所あたり3人です。幕下には120人いるので、40人に1人しか上がれない計算。それだけ狭い門なんですね。
十両に上がれるのは、ほぼ「5枚目以内」
幕下での番付 | 十両に上がった人数 |
|---|---|
筆頭(1枚目) | 4人 |
2枚目 | 6人 |
3枚目 | 4人 |
4枚目 | 1人 |
5枚目 | 2人 |
15枚目 | 1人(7戦全勝の一意) |
5枚目以内 | 17人/18人 |
18人のうち17人が、幕下5枚目以内の力士でした。それより下から上がったのは、幕下15枚目で7戦全勝の幕下優勝をした一意だけ。つまり、幕下上位の、さらにその上のほうにいないと、関取はほとんど見えてこないんです。
十両に上がったときの成績 | 人数 |
|---|---|
4勝3敗 | 3人(全員、幕下筆頭か2枚目) |
5勝2敗 | 10人 |
6勝1敗 | 4人 |
7戦全勝 | 1人 |
幕下筆頭や2枚目なら、4勝3敗でも上がれたことがあります。でも、その位置にいる力士はみんな同じことを考えているから、1番目からもう本気。だからこそバチバチになるんですね。
【手書きメモ】十両に上がった18人中17人が幕下5枚目以内!
九月場所の幕下上位(15枚目以内)にいた元関取
九月場所で幕下15枚目以内にいた30人のうち、11人が元関取でした。だいたい3人に1人です。
四股名 | 最高位 | 九月場所の番付 | 九月場所の成績 |
|---|---|---|---|
西ノ龍 | 十両4 | 東下1 | 3勝4敗 |
欧勝海 | 前頭11 | 東下2 | 全休 |
日向丸 | 十両13 | 西下2 | 2勝5敗 |
大花竜 | 十両13 | 西下5 | 3勝4敗 |
藤天晴 | 十両13 | 東下6 | 4勝3敗 |
夢道鵬 | 十両14 | 西下6 | 4勝3敗 |
荒篤山 | 前頭16 | 東下7 | 2勝5敗 |
白鷹山 | 十両3 | 西下10 | 全休 |
對馬洋 | 十両9 | 東下11 | 5勝2敗 |
天空海 | 前頭10 | 東下14 | 2勝5敗 |
三田 | 十両3 | 西下15 | 5勝2敗 |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)の令和8年9月場所の番付と、各力士の最高位・成績から、筆者がまとめたもの
元幕内の力士でも、2勝5敗で負け越している人がいます。そのいっぽうで、付出でデビューした三田や藤天晴は勝ち越し。元関取が「戻りたい」とぶつかり、若手が「上がりたい」とぶつかる。それが幕下上位なんです。
1年前の幕下上位から、もう幕内に
さっきの18人の中から、九州場所の番付では北の若、旭海雄、出羽ノ龍、寿之富士、嵐富士の5人が幕内にいます。1年前は黒まわしでバチバチやっていた力士たちが、今は幕内の土俵に。幕下上位を見ておくと、「この人、すぐ上がってくるかも」って先取りできるのも楽しいところです。
次に行く人へ
【まとめ枠(墨ベタ)】
- 幕下上位の取組は、十両の取組が始まる少し前。早めに会場に行って、ぜひ見てみてください。
- 番付表で幕下5枚目以内の力士をチェック。勝ち越したら、次の場所で十両に上がるかもしれません。
- 勝ち越しがかかった4番目、5番目の取組は、とくに熱いです。星取表と一緒に見ると、もっと楽しめます。
※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。