スピード出世ランキング、付け出しあり・なし
初土俵から新入幕まで、付け出し込みなら遠藤・伯桜鵬の3場所、前相撲からなら常幸龍・尊富士・安青錦の9場所がいちばん速かった。
大の里って、どれくらい速かったの?
相撲を見はじめてから、よく聞く言葉があります。「スピード出世」。
大の里は、初土俵からたった4場所で幕内に上がったそうです。安青錦や尊富士も、ものすごく速かったと聞きました。でも、「速い」ってどのくらい? ほかの力士と比べたら、何番目なんだろう?
調べてみたら、もうひとつ気になることが出てきました。スピード出世の話には、いつも「付け出し」という言葉がついてくるんです。
【写真:会場外(国技館の幟/番付表など)】
【手書きメモ】初土俵→幕内まで、何場所かかる?
【ふきだし】「付け出し」って、ずるいの? すごいの?
【用語カード】付け出し(つけだし)
ふつう力士は「前相撲」から始めて、序ノ口・序二段・三段目・幕下と一段ずつ上がっていきます。でも、大学やアマチュアの大会で好成績を残した人は、いきなり幕下や三段目の途中から始められます。これが「付け出し」です。スタート地点がちがうので、スピード出世を比べるときは、付け出しの人とそうでない人を分けて見ることが多いです。
気になって数えた(1)付け出し込みのランキング
付け出しの人も含めて、初土俵から新入幕までが速かった力士を並べました。付け出しの人は、付け出しでデビューした場所から数えています。
【データカード】
場所数 | 力士 | 初土俵→新入幕 | 最高位 |
|---|---|---|---|
3場所 | 遠藤(幕下10枚目格付出) | 平成25年3月→9月 | 小結 |
3場所 | 伯桜鵬(現・伯乃富士、幕下15枚目格付出) | 令和5年1月→7月 | 小結 |
4場所 | 朝潮(当時は長岡、幕下60枚目格付出) | 昭和53年3月→11月 | 大関 |
4場所 | 武双山(幕下60枚目格付出) | 平成5年1月→9月 | 大関 |
4場所 | 雅山(幕下60枚目格付出) | 平成10年7月→平成11年3月 | 大関 |
4場所 | 逸ノ城(幕下15枚目格付出) | 平成26年1月→9月 | 関脇 |
4場所 | 御嶽海(幕下10枚目格付出) | 平成27年3月→11月 | 大関 |
4場所 | 大の里(幕下10枚目格付出) | 令和5年5月→令和6年1月 | 横綱 |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)番付・成績検索。昭和33年以降の新入幕
【手書きメモ】上位8人、全員が付け出し!
付け出しを含めると、上の8人は全員が付け出しの人でした。いちばん速いのは遠藤と伯桜鵬(いまの伯乃富士)の3場所。大の里は4場所で、同じ4場所の人の中では、ただ一人横綱まで上がっています。
気になって数えた(2)付け出しを含まないランキング
次に、前相撲から始めた人だけで並べてみました。
【データカード】
場所数 | 力士 | 初土俵→新入幕 |
|---|---|---|
9場所 | 常幸龍 | 平成23年5月→平成24年11月 |
9場所 | 尊富士 | 令和4年9月→令和6年3月 |
9場所 | 安青錦 | 令和5年9月→令和7年3月 |
10場所 | 北勝富士 | 平成27年3月→平成28年11月 |
11場所 | 琴欧州、阿覧、正代、友風 | — |
12場所 | 小錦、栃東、朝青龍、把瑠都、宇良、熱海富士 など | — |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)番付・成績検索、日本相撲協会 力士プロフィール(安青錦の初土俵)。昭和33年以降の新入幕
【手書きメモ】熱海富士も12場所! 朝青龍と同じ
前相撲から始めた人のいちばんは、9場所。常幸龍、尊富士、安青錦の3人が並んでいました。尊富士は、その新入幕の場所でいきなり優勝しています。安青錦は、いまや大関です。
付け出しの人との差は、だいたい5〜6場所。付け出しの人は幕下からスタートするので、その分だけ速いんですね。でも、前相撲から9場所、たった1年半で幕内に届くのも、とんでもない速さです。
そして見つけてうれしかったのが、熱海富士の12場所。朝青龍や把瑠都、小錦と同じ速さでした。
気になって数えた(3)今の関取は、平均でどれくらい?
ランキングの上のほうは、やっぱり特別な人たち。じゃあ、いま土俵にいる関取は、平均でどれくらいかかったんだろう? 秋場所の番付にいた関取70人(幕内42人、十両28人)で数えてみました。
【データカード】
いまの関取 | 十両に上がるまで | 幕内に上がるまで |
|---|---|---|
全員 | 平均19.1場所(70人) | 平均23.0場所(幕内42人) |
付け出しの人 | 平均7.4場所(18人) | 平均10.7場所(11人) |
前相撲からの人 | 平均23.1場所(52人) | 平均27.4場所(31人) |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)力士データ。令和8年9月場所の番付にいた関取
【手書きメモ】幕内まで平均23場所=だいたい4年!
いまの幕内力士は、平均で23場所、だいたい4年かけて幕内に上がっていました。付け出しの人は平均10.7場所、前相撲からの人は平均27.4場所。スタート地点のちがいで、2年半くらい差がついています。
いちばん時間がかかったのは若元春で60場所、10年です。そう思うと、前相撲から9場所の安青錦と尊富士が、どれだけ速いかがよくわかります。熱海富士も12場所で、平均の半分くらいの速さでした。
速い人は、その先も強い?
付け出し込みの上位8人を見ると、横綱1人、大関4人、関脇1人、小結2人。全員が三役まで上がっていました。前相撲からの人でも、安青錦、琴欧州、正代、小錦、栃東、把瑠都が大関に、朝青龍が横綱になっています。
速く上がる人は、やっぱりその先も強い人が多いみたいです。次に「スピード出世」という言葉を聞いたら、付け出しかどうかと、何場所かかったかをぜひチェックしてみてください。
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【まとめ枠(墨ベタ)】
- 「スピード出世」と聞いたら、まず付け出しかどうかをチェック。スタート地点がちがうので、比べ方が変わります。
- 付け出しなら3〜4場所、前相撲からなら9場所が、いまのところのいちばん速い記録です。
- 幕下や十両の取組にも、未来のスピード出世力士がいるかもしれません。早めに国技館に行くと、見つけられるかも。
※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。