文字

俵ひとつ分、外にあった。熱海富士が残った8日目

負けたと思った瞬間、熱海富士の足はまだ俵の上にあった。その場所だけ、土俵が少し広かった。

負けた、って思った。そしたら残ってた

中日8日目の一番です。

前の日、熱海富士は安青錦に寄り切られていました。だから今日は正直、祈るような気持ちで見ていました。

立ち合いのあと、琴栄峰に左を差されて、右の上手も取られて、ずるずると土俵際へ。「あ、終わった」と思って、一瞬目をそらしかけたんです。

でも、落ちなかった。

足が俵にかかったまま、右からすくって、左から突いて、くるっと回り込んで、気づいたら琴栄峰のほうが土俵に手をついていました。決まり手は突き落とし。思わず声が出ました。

【写真:会場外(国技館の幟/自宅で見ていた日のメモなど)】

【手書きメモ】ここ! かかとが俵の上。まだ出てない

あとで知った。あそこだけ、土俵が広い

家に帰ってスロー映像を見返していたら、熱海富士が粘っていたあたりの俵が、ほかより少し外に出ていることに気づきました。

円なのに、そこだけちょっと出っぱってる。

【ふきだし】え、土俵ってまんまるじゃなかったの!?

【用語カード】徳俵(とくだわら)

土俵の円のうち、東西南北の4か所だけ、俵ひとつ分外側にずらして埋めてある部分。屋外で相撲を取っていた時代に、たまった雨水を外へ掃き出すための切れ目だったと言われています。そのぶん土俵がほんの少し広くなり、追い込まれた力士が「得をする」ことから徳俵と呼ばれる、という説があります。

【手書きメモ】たった俵ひとつ。でも今日はそのひとつで勝った

徳俵のことを知ってから見返すと、あの逆転は偶然じゃなくて、残れる場所を足で知ってる人の相撲に見えてきました。土俵際って、ただの「崖っぷち」じゃないんですね。

気になって数えた

【データカード】

項目

内容

取組

秋場所8日目(2026年9月20日・両国国技館)

結果

関脇・熱海富士 ○ 突き落とし ● 西前頭筆頭・琴栄峰

対戦成績

熱海富士の2勝0敗(先場所の初顔合わせも熱海富士)

8日目終了時点

6勝2敗

大関昇進の目安

三役で直近3場所33勝 → 今場所12勝が必要

残り7日で必要な白星

あと6勝(6勝1敗ペース)

出典:スポーツ報知(2026年9月20日)、NHKニュース(2026年9月20日)

【手書きメモ】あと6つ。1つしか落とせない…!

数えてみたら、思っていたよりずっと厳しい数字でした。でも、前の日に負けて、今日も土俵際まで追い込まれて、それでも残った。そういう日のあとの熱海富士を、私は信じたいです。

優勝して、大関になってほしい。本気でそう思っています。

次に行く人へ

【まとめ枠(墨ベタ)】

  • 土俵際になったら、力士の顔じゃなくて足元を見てみてください。かかとがどの俵にかかっているかで、「まだ残れるか」がわかります。
  • 徳俵は東西南北の4か所。正面・向正面・東・西の真ん中です。席を選ぶときの小さな楽しみになります。
  • 「もうダメ」と思っても、目をそらさないこと。相撲は俵の上で逆転します。

※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。