カラフルなまわしは関取の証! 絹の「締め込み」のひみつ
本場所で関取が締めている絹のまわし「締め込み」。幕下以下は黒い木綿のまわしなので、カラフルなまわしは関取になった証です。色のルール、洗わない理由、さがりが奇数の理由まで調べました。
まわしの色で、関取かどうかわかる
国技館で朝から取組を見ていると、途中でまわしの雰囲気ががらっと変わる瞬間があります。幕下までは、みんな黒いまわし。それが十両の取組になると、赤、紫、緑、黒……と、急にカラフルになるんです。
このカラフルなまわしは「締め込み(しめこみ)」といって、関取だけが締められる絹のまわし。つまり、カラフルなまわしは関取になった証なんです。
【写真:十両土俵入りの色とりどりの締め込み】
【ふきだし】十両から急に色があふれて、テンション上がる!
【用語カード】締め込み(しめこみ)
関取(十両以上の力士)が本場所の取組で締める、絹でできたまわしのこと。幕下以下の力士は、本場所でも稽古でも黒い木綿のまわしを締めます。関取になると、稽古のときは白い木綿のまわし、本場所では絹の締め込みに変わります。
関取と幕下以下、まわしのちがい
関取(十両以上) | 幕下以下 | |
|---|---|---|
本場所のまわし | 絹の「締め込み」。色は事実上自由 | 黒い木綿のまわし |
稽古のまわし | 白い木綿のまわし | 黒い木綿のまわし |
さがり | 締め込みと同じ布を糊で固めたもの | 木綿のまわしに合わせたもの |
【手書きメモ】関取=本場所は絹の締め込み、稽古は白/幕下以下=いつも黒
関取に上がった力士にとって、初めての締め込みは特別なもの。後援会や地元の人たちから贈られることも多いそうです。締め込みは1本100万円以上するものもあると言われていて、まさに晴れ舞台の衣装ですね。
色のルールは「紺・紫系」…のはずが?
じつは、日本相撲協会の規定では、締め込みの色は「紺・紫系統」とされています。でも、実際の土俵を見ると、赤、ピンク、水色など本当にいろいろ。
カラーのまわしの始まりとされるのは、1957年11月場所に玉乃海が締めた金色のまわし。その翌年には「関取の色は黒か紺にそろえる」という規定も出たのに、その後もカラフルなまわしを締める関取はいなくならず、カラーテレビが広まってからは、白以外ならほぼ自由になったそうです。テレビで映えるって大事だったんですね。
締め込みは洗わない
びっくりしたのが、まわしは基本的に洗わないということ。洗うと生地がへたって、体を守る力が弱くなってしまうのが理由のひとつ。それに「験担ぎ(げんかつぎ)」の意味もあるそうです。勝っているときのまわしは、そのまま使い続けたいんですね。例外は、師匠が亡くなったときだけ洗うことが認められているそうです。
場所中にまわしを変えることも
まわしは体になじむまでに時間がかかるので、場所の途中で変える力士はあまりいません。そんな中、2026年の初場所では、安青錦が優勝争いのトップを走りながら、12日目に群青色から黒の締め込みに変えて話題になりました。黒い締め込みは、師匠の安治川親方(元安美錦)から譲り受けたもの。元大関の解説者が「とんでもない精神力」と驚いていたのが印象的でした。
さがりは、いつも奇数
まわしの前に垂れているひものようなものは「さがり」。関取のさがりは、締め込みと同じ布を糊で固めて作られています。そして本数はかならず奇数。偶数は「割れる」数なので、縁起が悪いとされているからです。
気になって調べた:締め込みとまわしの数字
【データカード】
項目 | 数字・できごと |
|---|---|
締め込みの素材 | 絹(繻子織り) |
まわしの長さ | ウエストの約7〜10倍(4.5〜9メートルくらい) |
締め込みのお値段 | 100万円以上するものも |
稽古用の木綿まわし(いちばん上の等級) | 幅約47センチ・長さ約6.5メートルで約1万3千円 |
色の規定 | 協会の規定では「紺・紫系統」 |
1957年11月場所 | 玉乃海が金色のまわしを締める(カラーまわしの始まりとされる) |
1958年9月場所 | 関取の色を黒か紺にそろえる規定が出る |
カラーテレビの時代〜今 | 白以外ならほぼ自由に |
さがりの本数 | 奇数(2019年の報道では、関取はほとんど13本) |
出典:Wikipedia「廻し」、Number Web(稽古用まわしの製造元の取材)、NEWSポストセブン、デイリースポーツの記事を参考にしたもの
稽古用の木綿のまわしは約1万3千円。それに比べて、締め込みは100万円以上することも。値段だけ見ても、関取になることがどれだけ特別かがわかります。
【手書きメモ】さがりは奇数! 偶数は「割れる」から
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【まとめ枠(墨ベタ)】
- 幕下の取組から十両の取組に変わる瞬間に注目。まわしの色がいっきに華やかになります。
- 推しの力士の締め込みの色を覚えておくと、遠くの席からでもすぐ見つけられます。
- 新十両の力士が初めて締め込みを締める場所は、本人にとっても特別。色にこめた思いをインタビューで話していることもあります。
- さがりの本数を数えてみるのも楽しいです(ちゃんと奇数かな?)。
※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。