同じ関取でも、幕内と十両はこんなに違う。懸賞金、染め抜き、座布団、そして照明
懸賞がかかるのは幕内だけ、夏場所に染め抜きで場所入りできるのも幕内だけ。優勝賞金は5倍の差。でも照明は十両から明るくなる。同じ関取の幕内と十両の違いをまとめました。
同じ関取なのに、幕内と十両はこんなに違う
前に、十両と幕下の違いを書きました。十両から上は「関取」で、給料も髪型もまわしも、生活がまるごと変わる。じゃあ、同じ関取の十両と幕内は、ほとんど同じなのかな?
会場で見ていると、幕内の取組になった瞬間に、土俵のまわりの空気がガラッと変わるんです。懸賞の旗がぐるぐる回って、場所入りの着物も華やかで。幕内と十両のあいだにも、はっきりした違いがいくつもあります。
【写真:会場外(国技館の幟/番付表など)】
【手書きメモ】十両28人 / 幕内42人。同じ関取でも、待遇はけっこう違う
【ふきだし】懸賞って、十両の取組にはつかないの!?
懸賞金は、幕内の取組だけ
取組の前に、企業の名前が入った旗を持った呼出しさんが土俵をぐるっと回る、あれが懸賞です。この懸賞がかけられるのは、幕内の取組だけ。十両の取組には、どんなに注目の一番でも懸賞はつきません。
【用語カード】懸賞(けんしょう)
企業などが取組にかけるお金のこと。1本7万円で、そのうち1万円は相撲協会の手数料、6万円が勝った力士の取り分になります。勝った力士は、行司の軍配の上から「熨斗袋(のしぶくろ)」を受け取り、手刀を切ってから受け取ります。力士の取り分の一部は、税金のために積み立てられます。
人気の力士や、横綱・大関の取組には、何十本もの懸賞がかかることがあります。懸賞の旗が何周も回っているのを見ると、「この一番、すごく注目されてるんだ」ってわかります。
染め抜きを着られるのは、幕内だけ
夏の場所(5月・7月・9月)、国技館に入ってくる力士の着物を見ると、四股名や龍・富士山などの柄を白く染め抜いた、華やかな着流しを着ている人がいます。これが「染め抜き」です。
この染め抜きで場所入りできるのは、幕内力士だけ。十両の力士は、夏でも羽織を着て場所入りしないといけません。場所入りの様子を見るだけで、幕内か十両かがわかるんですね。
【用語カード】染め抜き(そめぬき)
四股名や絵柄を白く染め抜いた、夏用の着流し。職人が手作業で作るオーダーメイドで、できあがるまでに40〜50日ほどかかるそうです。
座布団も、幕内は自分のもの
取組を待つあいだ、力士は土俵下の「控え」に座ります。このとき使う座布団も、十両は共用の紫一色の座布団。幕内力士は、自分の名前などが入った私物の座布団を使えます。テレビではあまり映らないけど、会場で見るとけっこう目立ちます。
照明は、実は十両から明るくなる
「幕内になると照明が明るくなる」と思っていたんですが、調べてみると、土俵の照明が明るくなるのは十両からでした。十両の土俵入りが始まるまでには照明が明るくなり、十両格の行司が土俵に上がると明るくなる、と言われています。
つまり、照明が変わるのは「幕下以下」と「関取」の境目。十両と幕内は、同じ明るさの土俵で取組をしているんです。照明は、関取になった人だけが浴びられるスポットライトなんですね。
気になって数えた:幕内と十両の違い 早見表
【データカード】
項目 | 幕内 | 十両 |
|---|---|---|
人数 | 42人 | 28人 |
月給(2026年時点) | 140万円(三役以上はさらに上) | 110万円 |
懸賞 | かかる(1本7万円、力士の取り分6万円) | かからない |
優勝賞金(2026年時点) | 1000万円 | 200万円 |
三賞・金星 | あり | なし |
夏場所の場所入り | 染め抜きで入れる | 羽織の着用が必要 |
控えの座布団 | 私物 | 共用の紫一色 |
仕切りの制限時間 | 4分 | 3分 |
土俵の照明 | どちらも明るい(明るくなるのは十両から) | |
出典:各種報道・解説記事、Wikipedia「幕内」「十両」をもとに筆者がまとめたもの。金額は2026年時点
【手書きメモ】優勝賞金は5倍、懸賞はゼロか何十本か!
いちばん差が大きいのは、お金まわりでした。優勝賞金は幕内が十両の5倍。さらに2027年の初場所からは、幕内の優勝賞金が2000万円、十両が300万円に上がると発表されています。懸賞は十両ではゼロなのに、幕内では人気の取組に何十本もかかります。
同じ関取でも、十両は「関取の入り口」、幕内は「本当の主役の舞台」。十両で勝ち越して幕内に上がるのが、力士にとってもうひとつの大きな目標なんだと思いました。
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【まとめ枠(墨ベタ)】
- 夏の場所に行くなら、場所入りの時間に国技館の入り口へ。染め抜きの着流しで入ってくる幕内力士は本当に華やかです。
- 幕内の取組では、懸賞の旗の数に注目。その日の注目の一番がひと目でわかります。
- 照明が明るくなる瞬間を見たいなら、幕下の終わりから十両の土俵入りあたりまでに席へ。
※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。