アマチュア王者だけの特急券! 「幕下10枚目格・15枚目格付出」と今も土俵にいる6人
2000年から2023年まであった「幕下10枚目格・15枚目格付出」。アマチュアの大きな大会で優勝した人だけが使えた特急券です。今も現役の6人が、デビューから何場所で関取・幕内になったかを数えました。
前の付出より、もっと上からスタートできた
前の記事で、今の付出(幕下最下位格・三段目最下位格)について書きました。そのとき「今度やろう」と言っていたのが、今回の「幕下10枚目格付出」と「幕下15枚目格付出」です。
これは2000年9月から2023年9月まであった制度。今の付出は幕下60枚目からのスタートだけど、こちらは幕下10枚目や15枚目、つまり幕下の上のほうからデビューできたんです。そのかわり、条件は「アマチュアの大きな大会で優勝すること」。まさに、アマチュア王者だけの特急券でした。
【写真:番付表の幕下上位の欄】
【ふきだし】デビューしてすぐ、十両まであと少しの位置!
【用語カード】幕下10枚目格・15枚目格付出
2000年9月から2023年9月まで使われていた付出の制度。アマチュアの全国大会で優勝した人が、幕下15枚目(条件がさらにきびしい人は幕下10枚目)の地位からデビューできました。資格は優勝した日から1年以内(2020年からは当面2年以内)に使う必要がありました。2023年9月の改正で、今の「幕下最下位格付出」に変わりました。
条件は「優勝」
種類 | どこからスタート? | 条件 |
|---|---|---|
幕下15枚目格付出 | 幕下15枚目 | 全日本相撲選手権・全国学生相撲選手権・全日本実業団相撲選手権・国民体育大会(成年男子)のどれかで優勝 |
幕下10枚目格付出 | 幕下10枚目 | 全日本相撲選手権で優勝し、さらにほかの3大会のどれかでも優勝 |
【手書きメモ】15枚目格=4大会のどれかで優勝/10枚目格=全日本優勝+もう1つ優勝
今の付出は「ベスト8以上」で使えるけど、こちらは「優勝」が必要。10枚目格にいたっては、アマチュア横綱になったうえで、ほかの大会でも優勝しないといけません。そのぶん、スタート位置は幕下の上のほう。十両まであと少しのところからデビューできました。
気になって数えた:今も現役の6人
【データカード】
項目 | 数字 |
|---|---|
この付出でデビューした現役の力士 | 6人(10枚目格2人・15枚目格4人) |
そのうち現在関取 | 5人 |
十両に上がるまでの平均 | 約2.8場所 |
いちばん早かった人 | 伯乃富士(当時・伯桜鵬)の1場所 |
最高位が三役以上 | 4人(横綱1・大関1・小結2) |
出典:大相撲のはてなに効く!観戦ガイド「付出とは?」の付出力士一覧、Wikipedia「付出」、相撲レファレンス(Sumo Reference)の各力士の成績をもとに筆者が数えたもの
6人の、デビューから関取・幕内まで
四股名 | 付出 | デビュー | 十両まで | 幕内まで | 最高位 | 九月場所の番付 |
|---|---|---|---|---|---|---|
大の里 | 10枚目格 | 2023年5月 | 2場所 | 4場所 | 横綱 | 東横綱(12勝3敗・優勝) |
御嶽海 | 10枚目格 | 2015年3月 | 2場所 | 4場所 | 大関 | 西十両4 |
伯乃富士 | 15枚目格 | 2023年1月 | 1場所 | 3場所 | 小結 | 東小結 |
欧勝馬 | 15枚目格 | 2021年11月 | 4場所 | 15場所 | 小結 | 西前頭5 |
阿武剋 | 15枚目格 | 2023年11月 | 3場所 | 5場所 | 前頭3 | 西十両3 |
花の富士 | 15枚目格 | 2022年9月 | 5場所 | — | 十両13 | 東幕下33 |
出典:相撲レファレンス(Sumo Reference)の各力士の成績から筆者がまとめたもの(「十両まで」「幕内まで」は、デビューの場所から数えて何場所目に上がったか)
いちばんすごいのは、やっぱり大の里。幕下10枚目格でデビューして、2場所で十両、4場所で幕内、そして今は横綱です。御嶽海も同じ10枚目格からのスタートで、同じく2場所で十両、4場所で幕内に上がって、大関まで上りつめました。
そして伯乃富士(当時は伯桜鵬)。幕下15枚目格でデビューした場所でいきなり7戦全勝の幕下優勝をして、たった1場所で十両に上がりました。そこから2場所で幕内に上がっています。
【手書きメモ】大の里=2場所で十両→横綱! 伯乃富士=1場所で十両!
いっぽうで、欧勝馬は幕内に上がるまで15場所、花の富士は十両で怪我をし番付を落としていますが、初場所では三段目優勝をし幕下に戻ってきました。関取復帰を目指しています。特急券があっても、そこから先はそれぞれの道。だからこそ、全員を応援したくなります。
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【まとめ枠(墨ベタ)】
- この付出の制度は2023年9月で終わったので、ここに出てくる6人は「最後の特急券組」とも言えます。
- 大の里と御嶽海は、アマチュア時代にどの大会で優勝したのかを調べてみると、もっと応援したくなります。
- 今の付出(幕下最下位格)でデビューした力士と、どっちが早く関取になるか、くらべてみるのも楽しいです。
※この記事の数値は、筆者が自分で調べて数えたものです。正確とは限りませんので、ご了承ください。